消防設備点検

消防用設備等の点検とは?

消防用設備等の点検報告は、防火対象物関係者の義務となっています。 消防法にもとづき、消防設備等を設置することが義務づけらている防火対象物の関係者(所有者、管理者、占有者 )は、その設置された消防設備を定期的に点検、その結果を消防長または消防署長に報告する義務があります。 消防用設備等(簡易消火用具、非常用警報器具を除く)や特殊消防用施設を設置したときは、消防本部のある市町村または消防長または消防署長(消防本部のない場合は市町村長に届け出て検査を受けなければなりません。 設置・維持が義務付けられている防火対象物は学校、病院、工場、事業所、興業場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防災建物、その他の防災対象物で政令定めるものとなります。

消防用設備等の種類と点検の期間について

●消防用設備等の種類と点検の期間は別表1の通りです。
●消防用設備等の点検を必要とする建物の区分と点検結果の期間は別表2の通りです。
定期点検には半年に1回の機器点検と1年に1回の総合点検があります。防火対象物の種類  消防法施行令別表第1

区分 特定 用途等  
(1) 劇場、映画館、演芸場、観覧場 1年に1回
公会堂又は集会場
(2) キャバレー、カフェ、ナイトクラブその他これらに類するもの
遊技場、ダンスホール
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業を営む店舗((1)項イ、(4)項、(5)項イ及び(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているものを除く。)その他これに類するものとして総務省令で定めるもの
カラオケボックス等
(3) 待合、料理店、その他これらに類するもの
飲食店
(4) 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗又は展示場
(5) 旅館、ホテル、宿泊所、その他これらに類するもの
  寄宿舎、下宿又は共同住宅 3年に1回
(6) 病院、診療所、助産所 1年に1回
老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム(主として要介護状態にある者を入居させるものに限る。)、介護老人保健施設、救護施設、乳児院、知的障害児施設、盲ろうあ児施設(通所施設を除く。)、肢体不自由児施設(通所施設を除く。)、重症心身障害児施設、障害者支援施設(主として障害の程度が重い者を入所させるものに限る。)、老人福祉法第五条の二第四項若しくは第六項に規定する
老人短期入所事業若しくは認知症対応型老人共同生活援助事業を行う施設又は障害者自立支援法第五条第八項若しくは第十項に規定する短期入所若しくは共同生活介護を行う施設(主として障害の程度が重い者を入所させるものに限る。ハにおいて「短期入所等施設」という。)
老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム(主として要介護状態にある者を入居させるものを除く。)、更生施設、助産施設、保育所、児童養護施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設(通所施設に限る。)、肢体不自由児施設(通所施設に限る。)、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター、身体障害者福祉センター、障害者支援施設(主として障害の程度が重い者を入所させるものを除く。)、地域活動支援センター、福祉ホーム、老人福祉法
第五条の二第三項若しくは第五項に規定する老人デイサービス事業若しくは小規模多機能型居宅介護事業を行う施設又は障害者自立支援法第五条第六項から第八項まで、第十項若しくは第十三項から第十六項までに規定する生活介護、児童デイサービス、短期入所、共同生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援若しくは共同生活援助を行う施設(短期入所等施設を除く。)
幼稚園 特別支援学校
(7) 小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、大学、専修学校、各種学校、その他これらに類するもの
(8) 図書館、博物館、美術館、その他これらに類するもの 3年に1回
(9) 公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場、その他これらに類するもの 1年に1回
イに掲げる公衆浴場以外の公衆浴場 3年に1回
(10) 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場(旅客の乗降又は待合の用に供する建築物に限る。)
(11) 神社、寺院、教会、その他これらに類するもの
(12) 工場、作業場
映画スタジオ、テレビスタジオ
(13) 自動車車庫、駐車場
飛行機、回転翼航空機の格納庫
(14) 倉庫
(15) 前各号に該当しない事業場
(16) 複合用途防火対象物のうち、その一部が(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は
(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているもの
1年に1回
  イに掲げる複合用途防火対象物以外の複合用途防火対象物 3年に1回
(16の2) 地下街 1年に1回
(16の3) 建築物の地階((16の2)項に掲げるものの各階を除く。)で連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたもの((1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る。)
(17) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)の規定によって重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡若しくは重要な文化財として指定され、又は旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和8年法律第43号)の規定によって重要美術品として認定された建造物。 3年に1回
(18) 延長50メートル以上のアーケード
特定防火対象物(報告時期1年に1回)
防火対象物(報告時期3年に1回)

 

 

定期点検の種類(機器点検と総合点検)と期間

機器点検(6ヶ月に1回以上) 
①消防用設備等の機器の適正な設置、損傷等の有無その他主として外観から判断できる事項を消防用設備等の種類に応じ、告示で定める基準にしたがい確認します。
②消防用設備等の機器の機能について、外観からまたは簡易な操作により判別できる事項を消防用設備等の種類に応じ、告示で定める基準にしたがい確認します。
③消防用設備等に附置される非常電源(自家発電設備)または動力消防ポンプの正常特な動作を消防用設備等の種類に応じ、告示で定める基準にしたがい確認します。
総合点検(1年に1回)
総合点検(1年に1回)   消防用設備等の全部若しくは一部を作動させ、またはその消防設備等を使用することにより、消防設備等の総合的な機能を消防用設備等の種類に応じ定められた基準に従い確認します。

 

 

消防用設備等の種類等 点検の内容及び方法 点検の期間
消火器具、消防機関へ通報する火災報知設備、誘導灯、誘導標識、消防用水、非常コンセント設備、無線通信補助設備及び共同住宅用非常コンセント設備 機器点検 6ヶ月に1回以上
屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、二酸化炭素消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓設備、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、漏電火災警報器、非常警報器具及び設備、避難器具、排煙設備、連結散水設備、連結送水管並びに操作盤、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備、共同住宅用非常警報設備、共同住宅用連結水管、特定小規模施設用自動火災報知設備、加圧防排煙設備 機器点検 6ヶ月に1回以上
総合点検 1年に1回以上
動力消防ポンプ設備 機器点検 6ヶ月に1回以上
総合点検 1年に1回以上
非常電源(配線の部分を除く) 非常電源専用受電設備 または蓄電池設備 機器点検 6ヶ月に1回以上
総合点検 1年に1回以上
自家発電設備 機器点検 6ヶ月に1回以上
総合点検 1年に1回以上
配線 総合点検 1年に1回以上

点検が必要な防火対象物

次の3項目に該当する防火対象物の点検は、消防設備士,又は消防設備点検資格者の資格を有する者が点検を行います。
①延べ面積が1,000㎡以上の特定用途防火対象物。
②延べ面積が1,000㎡以上の非特定用途防火対象物で、消防長又は消防署長が火災予防上必要と認めて指定したもの。
③特定用途に使用する部分が避難階以外の階(1階及び2階を除く。)にあり、当該避難階以外の階から避難階や地上に直通する階段が2(当該階段が屋外に設けられている場合は、1)以上設けられていないもの。
防火対象物は、関係者は点検を行った結果を維持台帳に記録し、特定防火対象物は1年に1回、その他の防火対象物については、3年に1回、消防長または消防署長に報告しなければなりません。

上記3項目以外のは自ら点検を行うか、防火管理者などに命じて点検を行うなどして、消防設備の機能を維持しなければなりません。有資格者による点検は義務づけられてはいませんが、消防設備士や消防設備点検資格者を持つ点検会社で点検を実施されることをおすすめいたします。

消防用設備等の届け出と検査

消防用設備等(簡易消火用具、非常用警報器具を除く)や特殊消防用施設を設置したときは、消防本部のある市町村または消防長または消防署長(消防本部のない場合は市町村長に届け出て検査を受けなければなりません。

防火対象物の定期点検報告について

平成13年9月に発生した新宿・歌舞伎町雑居ビル火災を契機に消防法の一部が改正され、新らたに、防火対象物点検報告制度および自主点検報告表示制度が導入されました。消防用設備等の点検報告制度は、消防設備等について点検するもので、で、防火対象物の定期点検報告は、消防設備等の点検のみならず、防火管理上必要な設備の設置や維持、その他火災の予防上必要な事項や法律に基づく命令に規定する事項に法令で定めた基準に適合しているか点検します。

点検・報告が必要な防火対象物

収容人員が300人以上のすべての特定用途防火対象物
収容人員が30人以上300人未満の特定用途防火対象物のうち、特定用途に使用する部分が3階以上か地下にあり、2方向避難ができないもの。
定期点検の報告の期間は、1年に1回、消防長または消防署が基準と認める場合は、検査済を付けることができます。
自主点検報告表示制度について

点検をしなかった場合の罰則について

 防火対象物点検の結果を報告せず、又は虚偽の報告をした者は、30万円以下の罰金又は拘留に処するとされています。(消防法第44条7の3)


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